半ば強引にベッドへ座らされて、下肢を纏う服だけを脱がされて。 僕の足の間で、ユーリの頭が揺らめいている。 「......っは、ユーリ...」 「ふ...、んぅ......」 ユーリの与えてくれる刺激は的確で、むしろユーリにしてもらえているという事が何よりの興奮材で、本当に5分でいかされてしまうのではないかと思ってしまう。 てらてらと光る薄い唇から僕のモノが出し入れされる光景は、なんともイヤラシイ。 ユーリは本気で5分でいかせるつもりなのだろう。ひどく積極的だ。 すらりとした長い指が絡んできて、口をすぼめて竿をしごいて、裏筋を舐めあげて。 「......どだ?気持ちい?」 ちらりとこちらを見上げる欲を含んだ視線も、僕を煽るには十分すぎて。 「......っく、あぁ、すごく」 「ん......」 正直に答えるとユーリはうれしそうに瞳を細めて、また行為に没頭していく。 こんな状況が5分で終わってしまうなんて、ホントもったいない。 少しでもユーリを味わおうと僕は身を屈めて、彼の服の合わせ目へ手を滑り込ませた。 膨らみのない胸に、つんと立った感触。 「あっ!....っ、触んなっ」 「だって、僕だけ気持ちよくなるのは申し訳ないし」 「良いっての。大人しく感じてろよ」 言葉では拒否するものの大した抵抗もないのをいいことに、指先で快楽を与えていく。 「乳首、立ってる」 「言う...な.......っ」 「僕のを舐めながら、ユーリも感じてた?」 「ちがっ......んんっ!」 それを押しつぶすように刺激を与えてやれば、ユーリの身体が大きく跳ねた。 こうされるの、好きだよね。 「あっ、ん、......ふぅ」 切なげに眉尻を下げて、感じている様を隠せないでいる。 高く突き出した腰が無意識に揺らぎはじめていた。 今あの中に入って思いっきり突き上げてやったら、どれだけ気持ちいいのだろう。 もちろん、口でも十分気持ちいいんだけれど。 「......たい」 「え?」 「挿れたい......」 「フレン......」 「ユーリの中に、入りたい」 『だめ?』とは、聞かなかった。 ただ、正直な気持ちは伝えたかったから。 顔をあげたユーリは、少し困った顔をして、ふいと視線をそらした。 「......い...いぜ」 「え...」 「いいぜ。来いよ...」 「いいの?」 「――っ。お前が煽るから、オレもその気になっちまっただろが」 最後は吐き捨てるように言って、ユーリは手早くズボンを脱ぎ始めた。 ユーリの上着に手をかけると、さすがにユーリが慌てた声をあげた。 「な、上も脱がすのか?」 「なんで?」 「時間が.....」 「だって、せっかくだし」 「〜〜っ。だったら、お前も脱げっ!」 「うわっ」 乱暴な手つきで僕も脱がされて、あっという間にふたりとも裸になった。 久しぶりの素肌の感触を味わいながら、ベッドサイドの引き出しに僕がこっそりと仕込んで置いたローションを手にとった。 さすがに時間がないとはいえ、ユーリの身体に無駄な負担をかけるわけにもいかず。 なのに。 「いいからっ、早く来い...よ......」 「だけど、解さないと辛いのはユーリだよ?」 「だいじょぶ、濡らすくらいでいいから......」 ぐっと首の後ろから引き寄せられ、咬みつくようなキスをひとつ。 「早く、お前をくれよ...っ!」 「.....っ、ユーリ....!」 煽られるままにユーリの腰を掴んで、勢いのまま熱を突き立てた。 「はっ、ああぁ――っ!!!」 衝撃に、ユーリの背が大きくしなる。 滑りがあるとはいえ久しぶりの行為にユーリの中はキツくて、僕も思わず息をつめた。 「......く、おま...デカすぎ...」 「っあ、こんなにしたのはユーリだ....よっ」 「んんっ、まさか、こんな展開になるとは思わなかっ......あぁっ!」 苦しいのに、だけど余裕もなくて、荒々しく腰を動かしはじめる。 「ああっ!ふれっ...激しすぎ、んあっ」 「ユーリ、ユーリっ」 「あっ、やっ....ん、はぅっ」 奥へ奥へと突き上げれば、ユーリの身体がガクガクと震えはじめる。 いつにない性急な追い上げで、僕もユーリもただ快楽に支配されていた。 内に篭る爆発しそうな熱を、抑えられるだけの理性ももう残っていない。 「くっ、ユーリ....もぅ......っ」 「あ、あっ、ん...、オレ...もっ、.......あっ!」 頭の中で白が明滅して、限界が近いことを自覚しはじめる。 「ああっ!ふれ....フレンっ、やっ、あ!」 振り乱した綺麗な黒髪が、シーツの波へと流れていく。 仰け反った白い首元に咬みつきながら、ふたりで高みへと目指す。 「うっ、あぁ...も、イク......っ!ああぁぁっ!!」 「――っ、ユーリ.....っ!」 歓喜に震える身体を抱きしめて、一番奥で熱を放った。 まったりと余韻に浸ることもなく、僕もユーリも服を身につけ始めていた。 とりあえず手早く中を掻きだして、汚れた部分をさっと拭いてあげて。 ユーリは服を纏う手を動かしながらも、まだ瞳は若干潤んでいて、とろんとした表情でいる。 このままで外を出歩くなんて、どれだけフェロモンをまき散らしていくつもりなんだろう。 「ユーリ、まだ顔赤いよ」 「誰のせいだっての。思いっきり遅刻じゃねぇか」 「あはは、ごめん」 「......まぁ、流されちまったオレも悪いんだけどよ」 我ながら不本意だと小さく呟いて、ふいと顔をそらす。 お互いに久しぶりだったから、しょうがないと思うけど。 きちんと服を着たユーリは、よいしょと口にしながらゆっくりと立ち上がった。 「大丈夫?歩ける?」 「ん、へーき」 「何なら、待ち合わせ場所までおぶっていこうか?」 「やめれ。恥ずかしいから」 両手を差し出すと、顔に手が迫ってきて思いっきり押し留められた。 冗談だったのに。 「んじゃな、フレン。行ってくるわ」 「あ、待って」 そのまま扉を開いて出ていこうとしたユーリの腕を、とっさに掴んだ。 引き寄せて胸で受け止めて、まだ少し艶めいている口唇に僕の口唇を重ねた。 「ん、行ってらっしゃいのキス」 「......いちいち恥ずかしい奴だな、お前」 「気をつけてね」 「おう。じゃあな」 去り際にもう一度、今度はユーリから軽く口唇を重ねてきて、黒髪をなびかせながら彼は出ていった。 窓から外を見やれば、慌てて駆けていくユーリ。 その後ろ姿に微笑みを送って、僕は袖をまくった。 「さて。部屋の掃除でもしますか」 おしまい。 |
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